エレベーターとは楽ができる便利なもの・・のはず。
しかしアルゼンチンでは今でも多くのエレベーターが手動ドア・・?
今回はその手動ドアエレベーターにまつわるしきたりを紹介したい。
これがエレベーターの全体像。
重厚な2重&手動ドアをご覧いただけるだろうか?
アルゼンチンでエレベーターに乗ったときの通常の流れは、まず(例外なく重たい)二重ドアを手で開け体をエレベーターに乗せたら、再び重々しいドア閉めを二回行ってから目的地の階のボタンを押す。
エレベーターに乗るとき、
まずドアを2回開ける。
乗り込んだ後、再びドアを2回閉めてから
目的地の階のボタンを押す。
目的の階に到着すると、再び二つ続くドアを「よいしょ」と手で開き、降りてからは振り向いて再び二つのドアを閉める。
つまりエレベーターに乗るということはこれら最低四回の重い手動ドア閉めを意味する。
建物によっては、エレベーター用の2つのドアとは別に「外開きドア」がついていて、開きドアを開けてからエレベーター用の二つドアを開ける、というドア開閉地獄が・・・!
そして(だからこそ?)「エレベーターを降りた後の‘ドア閉まり‘確認徹底」という不文律の慣習が維持されている。
というのもドアがきちんと閉まっていないとその後エレベーターは動かない。つまり誰かがエレベーターを必要としてもエレベーターが下りて(または上がって)こないという事態を招いてしまうからだ。
同様、いつまで経ってもエレベーターが来ないときはどこかの階でエレベーターのドアがきちんと閉められなかったということ。
その場合は階段で昇り降りするしかない。
そのような場合、意図的にドアを閉めない人は稀でドアの閉め方が悪かった、という無垢な理由にすぎない。ドアが最後まで閉まっているのか確認しづらい造りなので、“ドア閉まり確認神経”がますます尖ってしまう事態も招く。閉め方が悪いとブザーがなり、などの忠告装置があるとそのようなことも防げるのだが・・・。
つまり、エレベーターを降りてから(重厚な二重)ドアが閉まっているかを手と目で確認する事は大切なマナーなのだ。
買い物袋や資料をたくさん抱えている時、この四回にもわたる重厚ドアの開閉が容易ではないことは想像に難くないはず。
つまり便利なはずのエレベーターも便利一辺倒とはいかずどこか中途半端。なんだかこの国の国民性に通じるものがある気もしたりして・・・。
[海外書き人クラブ・大田朋子・不思議なしきたり]