2009年08月14日
記事提供:青山武祐
2005年。まだ東京本社にいる時に、中国広告協会から審査委員として呼ばれた。
第一回「中国元素国際広告賞・Chinese Element」の審査をして欲しいとのこと。中国初の国際的な広告賞なので、日本、韓国、フランスから審査委員を募ったのだという。
要は何かしら中国的な要素を使って、新たな広告やパッケージをつくり、世界に発信していこうというもの。
これは大した試みで、とかくモノマネといわれてきた中国は、今後オリジナルの大国になるのだという志を感じた。
中国全土から集められた審査員も、美術系大学の教授や広告界の重鎮が揃っていた。花、龍、中国文字といった、いかにも中国を感じるものから切り絵、京劇の化粧、焼き物まで出揃って、審査は大変だったけれども、とても面白かった。2年続けて審査員を務めさせてもらった。
今、うちのCR社員には「中国元素」に出品できる作品をつくれとケツをたたいている。
確かに中国的な要素を使えば、たちまちにしてそれらしいモノは出来るのだが、それでいいのか? もっとアイディアを盛り込めないものか? あるいは新たなアートとして昇華できないものか? とずっと思いを抱き続けてきた。
6月に上海市内で引越しをした。家具を中心に面白い店が点在するとの噂を聞いていた近所の永嘉路を歩いた。
たまたま最初に入ったのが「VONGU」(*)だった。
驚いた。中国的な要素を見事にアートに昇華させた小物が揃っている。しかも一つひとつが丁寧につくられている。
上海で何度も掴ませられる、一見素敵だけれど、実はつくりはチャチというものではない。
「職人」の介在を感じさせる。親しくなった店員さんに聞けば、確かに手間と時間をかけてつくっている。
龍や中国文字をモチーフにしている訳ではない。しかし確かに中国を感じ、しかもデザインが美しい。部屋に置いておきたくなる。触って愛でたくなる。使ってみたくなる。食材を盛りたくなる。
家から歩いて5分なので、妻と毎週末に繰り出す。ペンケースや大小の器、箸、箸置き、ティーカップなどを少しずつ揃えている。
次はお盆を狙っている。大型の花瓶や部屋の間仕切り用のふすまも狙っているのだが、これはやはり部屋の空気を決めてしまうので慎重に下見を重ねている。
店員さんともすっかり仲良くなったので、特別に許可をもらって店内を何点か撮らせてもらった。それで気が付いた。照明の当て方にもディスプレイにも気配りが行き届いている。
一度、中国人の若いカップルが丹念に商品を見ているのに出くわしたことがある。新居用に選んでいるようだ。そうとうのお洒落をしている。どんな仕事をしているカップルなのか?
上海。贋物、コピー商品のメッカではあるけれど、確実に新たなオリジナルが育ってきている。
(*)「VONGU」・・・・・永嘉路x茂名南路
[青山武祐・中国]
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